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2024年12月2日

【手芸道具あれこれ No.12 指ぬき】そもそも、指ぬきとはなんぞや。指ぬきはどんな時に使う道具ですか?

  • 手芸道具あれこれ

皆さま、こんにちは。手づくりクリエイターのユキンコです。

「手芸道具あれこれ」第12回は、手縫い道具の便利アイテム、指ぬきについてです。

 

手芸道具あれこれ No.12  指ぬき

《もくじ》

①指ぬきとは

②指先にはめて使う指ぬき

③指の中央にはめて使う指ぬき

④指の根元にはめて使う指ぬき

⑤自分の指の太さに合った指ぬきの探し方

▲クリックすると①~⑤のところに飛べます。

①指ぬきとは


 

私が子どもの頃に見た、母や祖母の使っていたお裁縫箱には、必ず「指ぬき」が入っていました。使い方が今ひとつわからない不思議な形で、「これは、なんだろう?」と子どもの頃から思っていました。

 

小学校の家庭科の授業で使ったお裁縫箱の中にも必須道具のように入れられていましたが、使い方を教わる機会がなく、箱の中でおさまり悪そうにあちらこちらに移動し、「これ、じゃまだなあ…」などと私は思っていました。

 

縫い物をする人が年々減っている今、この指ぬきの使い方を知っている人はどのくらい、いらっしゃるでしょうか。

 

「指ぬき」は、縫い物をするときに、針を通しやすくする便利道具です。

生地に刺し通した針がすっと抜けないときに、針の頭を指先で強く押すと、指の皮がやぶけたり、傷ついたりします。

 

そんな時に指ぬきがあれば、針の頭を押しやすくなり、同時に、針が指に刺さるのを守ってくれます。

つまり指ぬきは、プロテクター(保護するもの)でありながら、アタッカー(攻撃するもの)でもある道具、と言えますね。

 

私が子どもの頃から疑問だったのは、「指ぬき」という単語が与えるモヤッとした言葉の印象です。

「指をぬく」という割には、はめるものだし、抜くのは針のほうで指じゃないぞ…?と。(笑)

 

「指ぬき」の語源は、針が指を「つらぬく」のを防御する道具だからと言われています。

道具の名前ではなく、道具を使わないと指に穴があくという忌避したい行為のほうの名前が道具についている点が、私のモヤモヤの根本原因でしょう。

これが、「指はめ」とか、「針押し」といった名前だったなら、すんなり納得がいったかもしれませんね。

 

指ぬきには、

①指先にはめるもの

②指の中央(第2関節あたり)にはめるもの

③指の根元にはめるもの

があります。

それぞれの使い方を見てましょう~!

 

②指先にはめて使う指ぬき


こちらは、私が持っている、指先にはめて使う指ぬきたちです。

指の先端にはめて使う指ぬきは、シンブル(Thimble)と言われるもので、ヨーロッパ生まれ。

写真左から、①金属、②革、③革+金属、④プラスチック素材で作られています。私は持っていませんが、この他にも、陶器やゴムで作られたシンブルもあります。

 

※厳密には、指先にはめるものをシンブル、指の中央(第2関節)にはめるものを指ぬき、と分けて表現される方もおられますが、ここではすべて「指ぬき」で統一します。

 

使い方はどれも同じ。針を持つ指(利き手)の中指の先端にはめ、針の頭を押して使います。

ちょっと硬くて針が通りづらい生地も、指ぬきがしっかり後押ししてくれることで、針を通しやすくなります。

 

金属の指ぬきには、小さな丸いへこみがたくさんあります。針の頭がこの小さな溝にはまることで、針の動きを固定してくれるのです。

金属指ぬきの良いところは、なんといっても丈夫なこと。これなら絶対に針が指をつらぬくことはありません。

ただ、指先がずっと金属でカバーされ、かつ固定されてしまうので、長時間の使用は疲れます。

 

余談ですが、この金属製の指ぬきを、右手の中指・左手の人差し指に同時にはめ、ダブル使いで縫い物をされる方もおられます。右手の指ぬきが針を押し出し、左手の人差し指が針先をキャッチするという手法です。プロの縫い手の方の中には、10本の指のうち、4本の指に指ぬきをはめて縫われる方もおられるそうです。奥深い世界ですね。

 

金属の指ぬきが苦手という方には、革の指ぬきがおすすめです。

手になじむ柔らかい本革なので、長時間はめていても金属ほどの疲労感はありません。

ただ、長期間使用すると革が伸びてきたり、何度も同じ場所に針があたることで針が革を突き破ることも。

ほとんど消耗しない金属と比べて革は消耗品で、何度も買い替えが必要になります。また、汗かきの方は指の中が蒸れることも。

 

そこで、金属と革のいいとこ取りをしたものが生まれました。

金属+革の指ぬきです。

革のフィット感、ソフト感を享受しつつ、最も針先がよく当たる指先の中央部分のみ、金属を当ててあります。

 

私はこれを見るといつも、野球のキャッチャー防具を連想してしまいます(笑)。

 

最後の指ぬきは、プラスチック樹脂製です。指先にはめて針の頭を押す使い方はどれも同じですが、

 

この指ぬきは、エルゴノミックシンブルという、人間工学に基づいて設計された製品です。

指先の黄緑の部分は針の先端が当たっても丈夫な強いプラスチック樹脂が使われていて、

 

それ以外の緑色のところはソフトラバーで柔らかく、通気性を出すために穴が開けてあります。

S・М・L・XLのサイズが市販されています。

 

③指の中央(第2関節あたり)にはめて使う指ぬき


次に、指の中央…第2関節あたりにはめて使う指ぬきを紹介します。

指輪のようなリング型の指ぬきです。

 

 

はめるのは、右手(利き手…針をもつほうの手)の中指の、第2関節あたりです。

 

人差し指と親指で針を持ち、中指にはめた指ぬきで針の頭を押します。

 

40年以上前に母や祖母の裁縫箱で目にしたのは、写真(右)の革の指ぬきでした。

 

リング型の指ぬきは、誰の指の太さにも調整できるように、フリーサイズになっています。

輪っかをひろげたり、ゴムをひろげたりしてサイズ調整します。

 

40年前の革の指ぬきに、プラスチックパーツが付いていたかどうかは記憶が怪しいですが、このように針が皮を貫通しないように、革の裏側に付属パーツがついています。

 

今なら、小学生の家庭科でこの指ぬきの使い方を教えるのは難しいことだとよくわかります。

針に糸を通し、玉結びを作って縫うことだけでも精一杯なのに、指ぬきをはめて針の頭を押しながら縫いましょうというのは、小学生にはかなりハードルが高いことですね。

大人の私でも、未だちょっと難しいくらいですから…(笑)。

 

今までやったことがない動作を習得するには、少し練習が必要ですね。何度もくり返すうちに体が自然に覚えて、針の頭を指ぬきがスイスイと押してくれるようになるでしょう。

 

④指の根元にはめて使う指ぬき


最後に、指の根元にはめて使う指ぬきです。

 

これは、中指の内側にはめ、主に刺し子やこぎん刺しをする時に使います。

刺し子やこぎん刺しの針は、一般的な縫い針よりもかなり長い針です。

このような長い針では、指先や指の中央で針の頭を押すことができません。

そこで、指の根元側から押すのです。

メーカーによって形や素材が異なります。金属のもの、革のものなどがあります。

 

色々な指ぬきを見てきましたが、これらの目的はすべて同じ。

 

指を守り、針を生地に通すこと!

 

この目的がかなう、自分にぴったりの指ぬきを探してみてくださいね。

どれが使いやすいかは、やはり使ってみなければ分からないところもあります。

インフルエンサーがおすすめしてくれるものを最短コースで手に入れられたら無駄もなく楽ですが、ひとつずつ自分の手を使って試しながら、時間をかけて自分のお気に入りを見つけていくのも、縫い物人生を楽しく豊かにしてくれるものではないかと思います。

 

⑤自分の指の太さに合った指ぬきの探し方


最後に、自分の指にぴったりの指ぬきの探し方について。

多種多様な指ぬきを揃えている手芸店では、見本品が置いてあり、実際に指を入れて使い勝手を試すことができます。でも、手芸店がどんどん減っている昨今、お店が近くになかったり、あっても選択肢が少ないということも。ネットショップでは豊富なラインナップを見ることができても、自分の指の太さにぴったりの指ぬきを探すのはちょっと難しいですね。

 

例えばこの金属のシンブルの場合、ネットショップではS・M・Lなどと表示されて売られています。

商品説明に内径16mm、17mmなどと書かれていても、正直なところ、はめてみないと分からないという感じがします。

 

ひとつの例ですが、こちらの指ぬきの高さは22mmなので、

 

自分がはめたい指の端から、22mmのところを確認します。

 

その位置に一周、メジャーを巻いて、自分の指の円周を測ります。

私の場合は約4.8cm。

これを円周率で割ると、

4.8÷3.14=1.52866…≒1.53

となり、私の指の直径は約1.5~1.6cmの間の、1.5cm寄り、ということが判ります。

 

判断が難しいですが、少し窮屈でもフィット感をとるなら1.5cmのもの、指がむくむときもあるかも知れないと若干のゆとりをとるなら1.6cmを選ぶ感じでしょうか。1mm以下の数字で迷うときは「大は小を兼ねる」で、繰り上げた数字のほうを選ぶと良いでしょう。

 

 

指ぬきにはたくさんのサイズが用意されています。

皆さんも自分に合った指ぬきを探してみてくださいね。

 

 

2024年12月02日 ユキンコ

 


 

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