• 手芸道具あれこれ

皆さま、こんにちは。手づくりクリエイターのユキンコです。新カテゴリー「手芸道具あれこれ」の第１回は「針」でした。第２回は、針の最強の相棒 《 縫い糸 》です。

手縫い用からミシン用まで、多種多様な糸がありますね。種類が多すぎて、どれを選んでいいのか分からない…という方も多いと思います。これから３回に分けて縫い糸の基礎的なポイントをご紹介していきます。初回は、《 手縫い糸とミシン糸の違い 》について。

手芸道具あれこれ　No.２　 縫い糸 その１

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①手縫い糸とミシン糸の違い・

はじめにまず結論をお伝えします。

糸には、手縫い用と、ミシン用の糸があります。
その大きな違いは、糸の撚（よ）り方！

それでは解説をしていきます！

縫い物をはじめてみようと思って手芸店をのぞいたり、ネットショップを見てみると、いろんなメーカーから多種多様な糸が出ています。

基本は、
手で縫いたい場合は  手縫い針＋手縫い糸
ミシンで縫いたい場合はミシン針＋ミシン糸！
……単純明快ですね（笑）。

手縫い糸は、平らな台紙に巻かれているものが一般的です。
（※円筒の糸巻き状になっている手縫い糸も存在します）

一方、ミシン糸は100％、円柱型の筒に巻かれた状態になっています。ミシンの糸立てのところに立てるためです。

そこで多くの方からよく質問されるのが、「じゃあ、ミシン糸で手縫いをしたらだめなの？」というもの。

どちらも同じように見える細い糸、実は   手縫い糸とミシン糸は、糸の撚（よ）り方が全く違います。

試しにお手持ちの糸をほどいてみてください。
手縫いの糸は時計回り（S巻き）ミシン糸は反時計回り（Ｚ巻き）
にくるくると撚（よ）ってあります。

この原理をもとに、手縫い糸は手で縫う用、ミシン糸はミシン専用  で使うことが推奨されています。

しかし、世の中には「手縫いもミシンも両方使えますよ！」というスグレモノの糸が存在するのです（笑）。

ダイソーで売られているカラー糸10本セットのパッケージには「手縫いだけでなくミシンにも使える」とあり、パッチワーク愛好家さんたちから支持されているメトラーブランドの糸（メトロシーン）にも「手縫いにもミシンにも対応できる」といううたい文句が。

これら2種類の糸はどちらも、反時計回り（Ｚ巻き）の糸、つまり 基本はミシン糸 です。
ただし、手縫いに使用しても糸がねじれたりからまったりしづらい特性があり、「手縫い用としても問題なく使用できます。」 と表記されています。

★ 価格比較 ★
ダイソー　カラー糸10本セット　　　100ｍ/１本　￥100
メトラー　メトロシーン９色セット　100ｍ/１本　￥3,487（入手時価格）

びっくりするほどお値段が違います…糸の世界はとても奥深いです。
※糸の品質についてはまたの機会に解説します。介します。

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②ミシン糸は手縫いで使える？

手縫いにもミシンにも使える糸があることはわかりました。でも、

「普通のミシン糸は手縫いに使えないの？」……という疑問がやっぱり出てきますね。

答えは、使えます（笑）。

ミシン糸は手縫いにも使用できます。ただ、メーカーや種類によっては、手縫いに使用していると糸がひどくねじれて縫いづらくなる糸があります。そういう糸は、「ミシンでも手縫いでも使えます」とうたわないだけの通常のミシン糸なので、手縫いで使用するのは控えたほうが良いでしょう。

私は手縫いをする時は、基本的には手縫い糸を使用しますが、どうしても生地に合ったちょうどいい色がない という時は、ミシン糸を使って手縫いをすることがあります。これまで20年以上作品制作をしてきましたが、ミシン糸で手縫いをして縫えなかったことはないので、「使えます（笑）」と断言しました。

念のため、懇意にしている創業100年超の老舗手芸糸メーカーさんにも確認してみまると、

「ミシン糸は手縫いも可」……という回答でした。

「使えます」ではなく、「手縫いも可」というお返事が、さすが！という感じですね。
また、その際には、使用する糸の長さを短めに切って縫うと、もつれにくい  とのアドバイスもいただきました。

どんな手縫いでも、糸を長くしすぎるとからまりやすいので、基本は短め、目安は「手の先から肘までの長さ」、つまり 40cm  くらいがおすすめです。適度な長さで縫えば、どんな糸でもからまりは軽減されます。

私もよくやってしまうのですが、頻繁に糸を針に通したり玉結びするのがおっくうで、ついつい糸を長くしがちです。しかし、そうすると糸がからまる確率が上がり、かえって手間が増えます（笑）。

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③手縫い糸はミシンに使える？

続いて逆……手縫い糸はミシンに使えるか、を考えてみましょう。刺繍糸、さしこ糸、カード巻きの手縫い糸、しつけ糸などの他、

円柱の形状で巻かれた手縫い糸があります。フジックス・スパン手縫い糸です。

円柱形なのでついミシン糸と間違えて使ってしまいそうになりますが、これは手縫い糸なので、糸が右寄りにまかれています。

ミシンでは、使えません。

その他、こんな糸巻きもあります。

左２つは、しつけ糸。しつけ糸は束（かせの状態）と、糸巻きになっているものが存在します。かさばる形状をしていない糸巻き状のしつけ糸はとても便利ですが、手縫い用なのでミシン糸としては使えません。糸の撚りがゆるく、力強くひっぱるとすぐに切れます。

右2つは刺繍糸が糸巻きに巻かれたもので、これらもミシンでは使用不可。ミシンで刺繍をしたい場合は、ミシン刺繍専用のミシン糸を使用します。

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④まとめ

【まとめ】

●糸には、手縫い用と、ミシン用の糸があります。

●手縫い用の糸（糸巻き）はミシンで使ってはいけませんが、ミシン用の糸は、手縫いにも使えます。

●ただし、糸がねじれたりもつれたりしやすいミシン糸は手縫いでの使用は控えましょう。

●手縫いでもミシンでも両方使える糸もあります。

次回は、縫い糸の最適な太さ について解説したいと思います。

2024年4月29日　ユキンコ

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