• ちいさな暮らしのおすそわけ

ちいさな暮らしのおすそわけ

No.12　感情の選択

誰でも無知や経験不足から色々な失敗をくりかえす青い時代（青春ともいう…）があったと思います。自分自身を振り返ると、恥ずかしくて今からでも大きな穴を掘って入りたくなる思い出が山ほどあります。若い頃は根拠のない自信にあふれていました。ああ、あの頃の私は、若かった（笑）。

そんな自分ももうすぐ50歳。人生の折返しを過ぎて、今まで考えたこともなかったような心の変化がたくさんありました。その一つが、若い頃よりも「不安」が増えたことです。

この先もずっと仕事はあるかしら、健康でいつまでも頑張り続けられるかしら…などと 漠然とした不安 がやってくると、若い頃は「なんとかなる」と思えていたのに、今は力強く振り払えなくなってきたのです。

20～30代の時よりパワーが落ち、記憶力も下がってきているなあといった実感が、困ったことに不安の増幅に貢献してくれているのだと思います。心に不安があると、口から出てくる言葉も下がりがちに。

一方、10代の娘はポジティブの塊のように何事も前向きです。やりたいことが山のようにあり、「将来は何になろうかな～」と無限の可能性に夢をふくらませています。この若さみなぎる存在からすると、やたらネガティブに傾きがちな親という存在はウザイ対象でしかないんだろうと思います。ああしなさい、こうしてはいけない、などと訓戒を述べると、娘からは「マイナスワードを使わないで！」と注意が飛んでくることが増えました。言葉の選び方、難しい…。

先日なにかの拍子に、「◯◯ちゃんはポジティブだもんね～」と私が娘に言ったところ、娘から「私はポジティブじゃないんだよ。ポジティブに生きてるんだよ！！！」と力強く言い返されました。

ズキューン。娘の言葉が私の胸に刺さりました。

私を軽々しくポジティブという枠にはめないでちょうだい、私はポジティブな人間なんかじゃない、ポジティブに生きることをいつもいつも選んでるんだよ！！！　……10 代からの力強い主張でした。

不安を選ぶのか、前向きに生きることを選ぶのか。感情を選んでんでいるのは自分なんですね。

あれやこれやと言い訳にせず、「こう生きる」「こう考える」と、まず決めることからはじめてみようと思った出来事でした。

2024年3月11日　ユキンコ

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