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2024年9月23日

【手芸道具あれこれ No.8 メジャーと定規 】使いやすいメジャーってどれ? 手芸用の定規って、普通の定規と何がちがうの?

  • 手芸道具あれこれ

 

皆さま、こんにちは。手づくりクリエイターのユキンコです。

「手芸道具あれこれ」第8回は、手芸道具の必須アイテム、《 メジャー 》《 定規 》について説明します。

 

手芸道具あれこれ No.8 メジャーと定規

《もくじ》

①メジャー

②竹尺・竹定規

③プラスチック定規

④アイロン定規

⑤カッティンマット

⑥まとめ

 

 

お裁縫箱の中に必ず入っている長さを測る道具といえば、メジャーを思い浮かべる方が多いと思いますが、メジャー以外にもあると便利が道具がたくさんあります。

手芸の「計測道具」について、ひもといていきましょう。

 

>①メジャー


左から、100円ショップのメジャーkawaguchiのロータリーメジャーRIFLE PAPER CO. のメジャーです。

お値段はそれぞれ、100円台400円台3300円となっています。

「使えればよい」という方なら100円台のメジャーで十分ですが、それより高価なメジャーは一体何が違うのでしょうか?

 

メジャーのメモリは製品ごとに微妙に異なります。まず大きな違いはメモリの色です。

一般的に、が多いです。メジャーによっては、片面が赤、もう片面が黒になっているものもあります。

メジャーの幅はどれも、0.7cm。

 

kawaguchiのロータリーメジャー(写真下)は、全長2mです。洋服づくりなどで体のサイズを測ることがありますが、150cmあれば大半のものは間に合います。

ただ、荷造りすることが多い方なら、箱の縦×横×高さの計測をする機会が多いので、150cmだとちょっと足りないということもあるかもしれません。

そのため、手芸以外にも使う場合は、2mメジャーが便利です。

 

3,300円のRIFLE PAPER CO. のメジャーは、なんといってもおしゃれ(笑)。かわいい花柄におしゃれな金具、お裁縫箱にあるだけで気分があがります。

 

こちらのメジャーは金具の端が平たく重たいので、メジャーの端を持たずにちょっと置いて測りたいときも端が浮かないので、使い勝手が良いです。もちろん金具が持ちやすいので、引き出す時もスムーズ。

また、片面はcm、もう片面はインチ表記になっているので、使い分けができます。(※1インチ は、2.54cm)

 

おすすめのメジャーは、100~400円のもの

特に小学生のお子さまが家庭科の授業で使う場合、ジャーの巻取りに失敗したり、引っ張りすぎて壊してしまうこともよくあるので、手頃な価格のもので十分です。私もよく壊してしまいます(笑)。

市販品の中には、インチとセンチが片面に入った2mメジャーがありますが、日常でインチを測ることがない方にはおすすめできません。センチの面だと思って測っていたらインチ面で、「ああ…」と測り直すことがよくあるので、一石二鳥とはなりません。宅配便の箱サイズを測ることも多い方なら2mの両面がセンチ表示のメジャー、手芸のみで使われる方は150cmメジャーがよいです。

 

おしゃれなメジャーは素敵ですがやや高価。手頃な価格のメジャーに自分で刺繍やアップリケなどを施したカバーを付けることもできるので、またの機会にカバーの作り方をご紹介しますね。

 

〈おまけ〉

ボタンを押したら自動で巻き上がる丸いメジャーの他に、テーラーメジャーと呼ばれるテープ状のメジャーもあります。

「テーラー」の名の通り、紳士服やオーダーメイドの服を作る、仕立て職人さん用メジャーといった感じでしょうか。

丸いメジャーが0.7cm幅なのに対して、こちらは1.7~1.8cmとやや太幅です。(細いものもあります)

 

黄色のメジャーは、スーツなどの生地の上でもメモリがしっかり見えます。

私が持っているのは両面黄色のものですが、他にも赤・緑・黄色・白・水色・黄緑など、カラフルなものが存在します。

 

>②竹尺・竹定規


 

私が小学生の頃のお裁縫箱には、この昔ながらの竹定規 が入っていました。竹尺(たけじゃく)と言ったり、竹定規(たけじょうぎ)と言ったりします。

小さなものは15~20cm、長いものだと1mを超えるものも存在します。反物をたくさん販売されている手芸店のカット台の近くには、長尺の竹定規が何本も立てかけてあります。お店によっては竹尺で1mずつ測ってカットしてくださることも。

 

竹尺最大の魅力は、端が0cmスタートになっている点です。

 

プラスチック定規は「0」のメモリを記載するため、端が0からスタートしていないものが多いです。

この大きな違いは、竹尺=測るもの、定規は線を引くもの、という違いからきています。

 

私は大雑把な性格なので、たまたま手元にあった竹尺で印の線を引いてしまい、サインペンの跡がくっきり(笑)。

皆さんは同じような失敗をされませんよう、お気をつけください。

プラスチック定規は、生地の素材によってはつるつる滑りますが、竹尺は生地の上にのせてもなじむので、測りやすいです。。

 

>③プラスチック定規


こちらは私が持っているプラスチック定規です。

色々と集めるうちにこのようなことになってしまいました(笑)。それぞれどんな違いや種類があるのか、簡単に解説します。

 

手芸用のプラスチック定規は、メモリの他に、細かい横線がたくさん入っているのが特徴です。文具用定規との最大の違いは、この横線が何本も走っている点です。

 

4mm、7mm、10mm、15mm…と細かく入っているのは、

 

生地の縫い代を測るためです。

 

手芸では縫い代を0.7cmとしている制作物が多いので、このクロバーの定規では0.7cmの線だけ特に強調して点線表示になっています。とても見やすいですね。

 

0.7cmというのは、ミシンの押さえとも合わせやすいサイズです。

私のミシン押さえは、透明な部分の端と針までの距離がちょうど0.7cmなので、生地に印をつけて縫うこともあれば、この金具の内端に沿って印なしで縫うこともあります。

 

ちなみに、縫い代がなぜ0.7cmが多いかというと、地の端は織り糸がほつれてくることがあるのですが、どんなにほつれても0.7cmのところまでは及ばないから。これが0.5cmだと心もとないですし、1cmだとバッグやポーチ、洋服などでは、縫い代がじゃまになってきます。

ちょうどよいのが0.7cm ということですね。

 

次に、定規の色をみてみましょう。

▲写真(上)のクロバーの定規は淡いグリーンで、これは数字の部分に色があるのでメモリが大変見やすいです。

▲写真(下)のコットンボールの定規の色は水色。こちらはボーダーのように色がつけてあるので、縫い代を測る時に大変見やすいです。どちらも愛用していますが、私は縫い代の幅を測ることが多いので、コットンボールの定規を多用しています。

メーカーさんがそれぞれに工夫をされているので、自分にとって使いやすいものをひとつ選ぶと良いでしょう。

 

さらにもう一つ、メモリが黄色の定規も存在します。これは、淡い色のところではメモリがさっぱり見えないのですが、濃い色のところではくっきり見えます。

 

もちろん、ミントグリーンの定規も、水色の定規もよく見えるのですが…

 

黄色の見やすさには叶いません!

濃い色の生地を測ることが多い方、くっきり、にこだわる方にはこちらの定規がおすすめです。

 

その他には、方眼定規というものがあります。

先ほどの縫い代を測りやすい定規もよく使いますが、方眼定規は縦横を正確に計測できるので、型紙を作る時に使います。

 

最後にもうひとつ。プラスチック定規の中では珍しい、0スタート定規があります。

▲写真の一番下ものは…

 

竹定規と同じく、0スタートのプラスチック定規は、端から測るのにとても便利。ただ、売り場でなかなか見かけないです。

 

こうして、この用途にはこの定規、あの用途にはあの定規、と追求していった結果…

 

気がつくとこんなことになってしまったのです(笑)。

30cm定規を使うことが多いですが、45cm、50cmもやっぱりあると便利…

 

初心者の方がお裁縫箱にひとつ入れるなら、20cm以下の竹定規、またはプラスチック定規をひとつと、30cmの定規がひとつあれば十分だと思います。そこから必要に応じて買い足していかれるとよいでしょう。

 

>④アイロン定規


 

 

次に、アイロン定規のご紹介です。

アイロン定規は、生地を折り返してアイロンをかける時などに便利な道具です。フェルト、不織布などでできている耐熱製品なので、アイロンをかけても溶けません。

 

ズボンやスカートの裾の折り返しや、三つ折りする時などに測りながらアイロンをかけることができます。

 

クロバーさんのアイロン定規は、曲線部分もあり、角の丸い作品にアイロンをかけるときにも便利です。

また、メモリが1cm単位だけではなく0.5cmのところにもあるので使いやすいです!

 

スカートの裾はゆるやかにカーブがかかっているので、折り返しのアイロンをする際には、このわずかなカーブを使うとアイロンをかけやすいです。

 

市販のアイロン定規は 800~1000円です。

少し手間がかかりますが、わざわざアイロン定規を買わなくても、厚紙に自分で線を引いて自作のアイロン定規を作ることもできます。

今から数十年前…アイロン定規なるものが売られるようになる前はどこのご家庭でも、こうして紙で作ったものが使われていましたね。

 

>⑤カッティングマット


 

最後に、カッティングマットについて。

手芸の大海へと漕ぎ出された方にとって、ロータリーカッターとカッティンマットは必須アイテムになるのではないでしょうか。もう道具が「裁縫箱」にはおさまりませんね。

 

市販のカッティンマットは、表と裏で色が違っているので、生地の色よって使いやすいほうを選べます。

市販品は、淡いグレーの対面に、黒、濃紺、深緑、濃チャコールグレーなど濃い色が合わせてあります。それなりのお値段になので買うときに色でちょっと迷いますが、選んでハズレがないのは、デスクマットなどにもよく使われている深緑。

私は以前深緑を使っていましたが、現在は濃いチャコールグレーのものを使っています。どの色がよいか?正直、あまり差を感じないので好みの色でいいと思います。

 

こちらはA1サイズのカッティンマットです。外寸が縦62×横90cmあり、メモリは縦60cm、横88cmまで測ることができます。

このマットは、反物生地をカットするのに使用しています。市販の反物は110cm幅を半分に折った55cmのものが多いです。生地の中には段ボールの芯が入っていて、これを巻き板、生地板、紙板などと言います。

生地メーカーさんによってこの反板の長さは微妙に異なりますが、だいたい57cm前後です。

つまり、A1サイズのマットは二つ折りした110cm幅の生地をカットするのにちょうど良いサイズのです。

 

余談ですが、カッティンマットや30cm以上の定規は収納場所にいつも困っています。

カッティンマットは本棚に立てていますが、30cm定規はペン立てに入れると倒れてしまうので、斜めにしてみたり、テーブルにそのまま置いたりと定位置が何年も決まらないまま、私のアトリエを日々さまよい続けています(笑)。

 

このマット、私はいつも同じところでカットするので…

 

使いすぎて1~2年でこんなことになってしまいました。カットしすぎて溝が深くなると、ロータリーカッターの歯が食い込んだり、まっすぐ走らなくなってしまいます。ちょっと劣化してきたなと思ったら、できるだけ早めに買い換えましょう。

 

 

なぜなら、ロータリーカッターの歯がすべって指にグサ……なんてことが起こるから。

数年前、左手の人差し指の先端をカッターの歯が走り抜けてしまい、タオルで指先を押さえてタクシーで病院に駆け込んだことがあります。数日、激痛で痛み止めを飲み続けました。

手芸仲間たちとの間ではよくある話で、「私も◯回やっちゃった」などとお互いの失敗を武勇伝のように笑い飛ばしています。

私の指先はだいぶ再生しましたが、よーく見ると0.5mmほどへこんだままです。

 

皆さん、事故や怪我には十分に気をつけましょう…。

 

>⑥まとめ


 

 

メジャーや定規のカンタン解説、いかがでしたか。

他にも、私は持っていませんが一点ものの洋服の型紙を起こす方が使われているカーブ定規や曲線用定規などもあります。文具専門店や手芸専門店の定規コーナーを見てみるのも面白そうですね。

 

皆さんもお気に入りのメジャーや定規を探してみてください。

そして、縫い物のある暮らし、手づくりのある暮らしを一緒に楽しんでいきましょう。

 

 

2024年9月23日 ユキンコ

 


 

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