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2024年2月19日

お直し&リメイク No.3 ぴったりサイズにお直し。ゴムテープの交換方法!

  • お直し&リメイク

 

皆さま、こんにちは。手づくりクリエイターのユキンコです。「お直し&リメイク」の3回目は、ゴムテープの交換方法》です。

スカートやパンツのゴムが伸びたり、体型の変化によってゴムを伸ばしたり縮めたりしたくなることは、よくありますね。

洋服は大事に使えば何年も使用できますが、ゴムの耐久性は洋服ほど長くありません。洗濯や着用で少しずつ伸びたり、アイロンや高温の乾燥機にも弱い。

大切な洋服を長く大事に使うためにも、ゴムテープの交換をマスターしておくと良いですね。

今回もできるだけ分かりやすく、細かいところまで解説することを心がけていきます!

 

 

《もくじ》

・①ゴムを取りはずす

・②必要なゴムの長さを計算する

・③新しいゴムを通す

・④ゴムを縫いつなげる

・⑤ゴム通し口をとじる

 

 

お直し&リメイク
No.3 ゴムテープの交換方法!


>①ゴムを取り外す

今回お直しするのは、私の黒スカート。最近ウエストがきつくなってきたので(笑)ゴムを交換します。

注)黒生地は写真で確認しづらいため、画像を明るく補正しています(前回のジャージパンツに続いて、またしても黒色に…。)

 

このスカートは、一周ぐるりとゴムが通っているものです。

 

スカートやパンツ、パジャマのズボンなどの中には、あらかじめゴムを交換しやすいように、ゴム通し口 がついているものもあります。

ついていない洋服の場合は、縫い目を少しほどく必要があります。こちらはゴムの通し口がないので、スカート内側の縫製の切って開けます。

 

生地を切らないように気をつけながら、糸切り(リッパー)を使い、ゴムベルト下の縫い目5cmくらいをカットします。ゴムが取り出しづらい場合は広めに開けましょう。

一般的にはスカートやズボンなら前身頃の中央、おへその位置にあたるところがゴム通し口になっていることが多いです。洋服を着用した状態で椅子の背にもたれたり寝転んだ時などに、ゴムのつなぎ目が腰にあたるのが気になるので前側になっていると思います。

 

ゴムを引き出します。この時、ゴムはできるだけ長めに出しましょう。

 

ゴムをカットして、洋服から抜きます。長めに出しておく理由は、うっかり手がすべるなどしてカットしたゴムの両端が洋服の中にすべりこんでしまわないため(経験アリ)。片方のゴムをしっかり持ち、ゆっくりと引き抜きます。

 

次の工程に入る前に、引き抜いたゴム、製品に使われているゴムは何cmの縫い代をとってつなげてあるかを参考までに見ておきましょう。

私のスカートのゴムは、縫い代1cmでゴム端を重ねて縫ってありました。

経験豊富な洋服の生産者さんは縫い代1cmで大丈夫でしょうが、家庭で縫いつなげるゴムの縫い代は余裕をもって2cmとることをおすすめします
(※恐らく製品は製造コストを抑えるためにも縫い代1cmになっていると思います)

両端の2cmずつが重なるため、仕上げたいゴムの長さ+2cm(縫い代)が必要です。

縫い代1cmにする場合は、仕上げたいゴムの長さ+1cm(縫い代)です。

 

 

>②必要なゴムの長さを計算する


次に、必要なゴムの長さを計算しましょう!

洋服のゴムの長さを決めるのって、難しいと思いませんか? ゴムの長さは、ウエストより少しだけ縮めた長さにすることで、スカートやパンツがずり落ちないようにする必要があり、その「少しだけ縮めた長さ」を計算しなければいけません。

なんとなくで仕上げてしまうと、あとから思ったよりきつかった、ゆるかった、といったことになります。

お直しの一般常識としては、ゴムの長さは、ウエストの長さの1割を引いたもの、と考えます。

まずはこちらのボディを例として、必要なゴムの長さを割り出してみましょう。ウエストに合わせてゴムを一周回します。

 

伸ばしたりせず、自然な状態で一周した位置に印をつけます。

 

長さを測ってみましょう。こちらのボディはウエスト61 cmでした。

61 cm × 0.1(1割)=6.1 cm

61 cm – 6.1 cm = 54.9 cm → 約55 cm

これに、重ねて縫う部分 = 縫い代2cm を足します。

55 + 2 = 57 cm これが必要なゴムのサイズです。

 


【オリジナルの計算式】

ウエストのサイズ=Acm

A × 0.1 = B

A – B + 2cm = 用意するゴムの長さ


 

ウエストの長さの1割を引くというのは、あくまでも標準的な目安です。実際に割り出したゴムの長さを自分のウエストに巻き、きつくないかどうかを確認しましょう。

1割ルールを守ると、ウエスト70cmの人は7cmを引いて63cm(+縫い代2cm)、ウエスト90cmの人は9cm引いて81cm(+縫い代2cm)というように、サイズが大きくなるほど割り引く長さが大きくなるため、必ず確認しましょう。

体を締め付けないゆったりしたゴム強度がお好きな方は、1割引くときつく感じられることがあるかもしれません。その場合はもう少しゴムを長くしてゆるめにするなど調整してください。

また、割り出した数字に 必ず縫い代(2cm)をつけてカットすることを忘れないように 気をつけましょう!

 

>新しいゴムを通す


それでは、新しいゴムを通しましょう!

ゴムにも様々な種類があります。洋服のゴムの交換をするときは、使われていたものと同じ幅や強度ものを探しましょう。私のスカートのゴムは25mm幅のゴムベルトでした。

 

ゴム通しを用意します。通すゴムによっては、ひも通しで通せるものもありますが、太幅ゴムの場合はある程度のパワーが必要なので、しっかりとゴムをはさんで抜けない強度のあるゴム通しを使いましょう

 

幅広いゴムをしっかりとはさんでくれるタイプ。

 

15mm以上のゴムを通すためのゴム通し。スリムなボティとは裏腹に、しっかりとゴムをキャッチして逃しません。

 

このタイプもリングをしっかり下げることでがっちりゴムを固定してくれます。

 

今回は赤いゴム通しを使います。ゴム通し口から入って一周!

 

ぐるりと回って出てきました。このときも、反対側のゴムが中に入り込んでしまわないように注意!

 

注意点として、ゴムが回転してしまうこと。一周通し終えてから、強力なクリップなどで端から向きをそろえていきます。(手芸用クリップでもOK)

これをせずに縫いつなげ、後からゴムがねじれていたと気づくという失敗を人生で何度もやりました(笑)。

 

ゴムの端を2cm重ねてまち針で止めます。ここまでできたら、クリップは外しても大丈夫です。

 

 

>④ゴムを縫いつなげる


次に、ゴムを縫いつなげます!

【ミシンで縫いつなげる方法】

ミシンで縫いつなげる場合は、2cmの縫い代の間に2本の縫い目が走るように縫います。縫い始めと終わりは返し縫いをしましょう。

 

【手縫いで縫いつなげる方法】

手縫いの方法もご紹介しておきます。
(愛用のカッティングマットがずいぶん使い込まれすぎて…少々見苦しくなっていますね、スミマセン。)

まずはゴムの端を2cm重ねてまち針でとめるところまでは同じ。

 

ミシンの場合と同様、2cmの縫い代のちょうど中央くらいに2本の縫い目が走るように仕上げます。目安となる印をつけておきましょう。

 

ゴムベルト用のゴムはは強度や厚みがあり針を通しづらいので、丈夫な太い針と、丈夫な縫い糸を使いましょう。

 

ここでは「本返し縫い」をします。

本返し縫いとは、糸の出たところから1針分 戻って針を入れ、糸が出たところより1針分 先から針を出す縫い方です。

 

糸の出たところから1針戻って針を刺し、1針分の先のところから針を出す。これをくり返します。
※ゴムに針が通しづらいときは、写真のように一度に針を入れて出すのではなく、1針ずつ入れる、反対側から出す、をゆっくりとくり返しましょう。

 

本返し縫いは縫い目が連なる仕上がりになります。ただぐしぐしと縫うのではなく、戻りながら前に進む縫い方なので、強度が強くなります。これを2本縫えば、まずゴムが外れることはありません。

 

少々ゆがんでいますが、ご愛嬌…(笑)。

 

【細いゴムを手縫いで縫いつなげる方法】

最後に、パジャマのゴム、下着のゴムなど、細幅ゴムを手縫いで縫いつなげる方法をご紹介します。
幅の細いゴムは手縫いでつなげます。ただ、太幅のゴムと違って縦に2本縫うということも難しいですね。

 

ゴムの端を2~3cm重ねます。
※ここでは3cm重ねた例です。

 

重ねたゴムの端を、巻きかがり で一周縫い合わせます。

 

巻きかがりというのは、くるくると巻くような感じで一方向に糸が渡っていく縫い方です。
縫い目がゆがんだり均一にならなくても大丈夫。巻きかがりをすることでしっかりつながり、ほどけることはありません。

 

>ゴム通し口をとじる


最後に、ゴム通し口をとじます。

ゴムの縫い合わせ後は、スカートの中にゴムをなじませます。ゴム通し口を縫いとじましょう。

 

わかりやすく赤い糸で縫いましたが、洋服と同じ色の糸で縫いとじればOK。ただし、今後も何度もゴムの交換をするかもしれないという場合は、どこから交換したかがわかるようにあえて目立つ糸で仕上げておいてもよいですね。数年後(?)に再びゴム交換する際はその縫い目をカットします。

 

最後にもうひとつ。太幅のゴムが着用のたびにくるくると回転して困ってしまうということがあると思います。毎回ねじれをなおして着用するのが面倒だという方は、洋服と同じ色の糸でゴムと洋服を固定しておきます。しばらくゴムの交換はしないという場合は、ミシンでしっかり縫いおさえておいてもよいでしょう。スカートやパンツの両脇2カ所を固定するだけでもずいぶんと回転の軽減になりますよ!

 

最近の洋服の中には、ミシンの縫い目がゴムと一緒に一周縫い込んであるものがあり、この場合はゴムを縮めたり延長することが容易ではありません。いつかまた、取り上げてみたいと思います。

 

2024年2月19日 ユキンコ

 


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最後に余談ですが、市販のゴムベルトはカット売りされていることが多いです。自分の必要な分だけを購入して使えたら無駄がなくて良いですが、1mカット、2mカットされている袋入りのものを買うとどうしても数十センチの余りがでてしまいます。野菜の切れ端なら細かく刻んでスープやチャーハンに、生地のハギレは縫いつなげてパッチワークに、といった物の使い切りができますが、市販ゴムの余りものは捨てるしかないということになってしまいますが、それではちょっともったいない。

そこで私は、延長したい長さの分だけ既存のゴムに付け足しする方法を時々します。こうすると、ゴムのつなぎ目が2カ所できてしまいますが、洋服の中に入ってしまうと案外気になりません。伸びてしまったゴムに新しいゴムを付け足しするのはおすすめできませんが、新調した洋服のゴムの延長をする場合に、このつぎたし案はおすすめです。

ただしその場合もゴムのつなぎ目の縫い代が必要なので、縫い代は1cmとか1.5cmくらいの短めですっきりうまくつなげたいところです。「ユキンコさん、せこい!」と言われそうですが(笑)、洋服を捨てずに直して使おうという気持ちがあるなら、ついでに材料も大事に使い切れたらいいなあと考えてしまうのですが、性分でしょうかね~。

 

 

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