2024年9月16日
【手芸道具あれこれ No.7 リッパーと目打ち 】リッパーの正しい使い方は? 目打ちは、お裁縫に必要ですか?
- 手芸道具あれこれ
「手芸道具あれこれ」第7回は、《 リッパー》と《 目打ち》です。
皆さんが小学校のときに家庭科の授業で使っていた裁縫箱に、リッパーと目打ちは入っていましたか?
私の遠い記憶(35年以上前)では、リッパーは入っていたように思いますが目打ちはありませんでした。目打ちはこの必需品枠からはずれていたのでしょうか(笑)。
今回は、2つの道具の使い方を簡単にご紹介します。
手芸道具あれこれ No.7 リッパーと目打ち
《もくじ》 ・▲クリックすると①~④のところに飛べます。 |
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こちらは、私が使っているリッパーと目打ちです。リッパーは3本、目打ちは2本持っています。
リッパーも目打ちも比較的小型の道具なので、縫い物をしているうちによく見失ってしまいます。黄色のリッパーや赤の目打ちは作業中に見つけやすいです。老眼が進んできた近頃では、持ちやすさに加えて「見つけやすさ」も私には重要になってきました。(笑)。
目打ちはボディはが丸いので、よく転がります。丸い道具類は、輪ゴムを巻いておくと滑り止めになり、おすすめです。
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①リッパー
リッパーは、糸切りとも言います。
英語では「seam ripper」と書きます。
「seam」=「縫い目」
「ripper」=「引き裂くもの」「ばらばら殺人犯」「切り裂きジャック」…ちょっとホラー映画に出てきそうな単語ですね(笑)。
リッパーで、洋服の縫い目をほどいてみましょう。
部分的に糸を切る場合は、尖った先端を縫い目に通し、リッパーのくぼみ(カーブ)の部分でカットします。
縫い糸を一気にカットしたい時は、まずスタート位置の縫い目を数本カットしてから、
リッパーの赤い玉のほうを縫い目の下に差し込んで、一気にリッパーを引き上げます。
こうすると数秒でサーッとカットできます。
※赤い玉じゃないほうでカットすると生地を切ってしまう恐れがあるので、必ず赤い玉のほうを差し込んで使います。
生地を裏返すと、ミシンの下糸が一気にほどけます。あとは、細かい糸くずを取り除けばOK。
ガムテープやコロコロテープなどを使うとスピーディーです。
余談ですが、リッパーを使わずに糸を切る方法として、カミソリも有効です。
生地を両側からひっぱりながらカミソリの刃を糸に当てると、リッパーと同じくらいスピーディーに糸を切れます。
※カミソリの刃が生地に当たると生地を傷めるので注意しましょう。
★リッパーの代わりにカミソリを使うことは友人のお母さんから教えてもらいました。
「シーツの縫い目を裂きたいから、あなたたち、それぞれ端を持って引っ張って!」と言われ、私と友人がそれぞれの端を持ち、友人のお母さんがカミソリの歯を糸に当てると、びっくりするほどスピーディーに生地が二つに分かれました。
昭和世代のお母さんやおばあちゃんたちが使っている裁縫箱の中に時々カミソリが入っているのは、このためか!と納得した出来事でした。
リッパーの使い道は糸を切るだけでなく、糸を切らずにほどきたい時にも使えます。
リッパーの外側(刃のない側)を使って糸を引き上げます。
同じように見えるリッパーですが、実は大と小が存在するのはご存知ですか?
刃の小さなものは薄手の生地や縫い目の細かいものに、刃の大きなものは厚地の縫い糸を切る時に便利です。一般的な裁縫箱に入っているのは小のほうが多いでしょう。でも、夏のブラウスや冬のコートなど、生地の種類は色々あるので両方あると重宝しますね。
リッパーはあると便利な道具ではなく、縫い物をする時には必需品だと思います。
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②目打ち
次に、目打ちの使い方です。もっともよく使うのは、縫い物の角をきれいに出す時です。
バッグやポーチ、コースターなど、四角く縫った角をひっくり返します。
※縫い代を割らずにひっくり返すときは、角の縫い代を2mmほど残してカットしておくときれいに仕上がります。
表にひっくり返しました。内側で縫い代がじゃまをして角がきれいに出ません。
生地の角に目打ちを刺し、表側に引き出すようにします。
薄い生地ならマチ針や縫い針でも同様のことができますが、細い針先が生地の織り糸を引っ張り出してしまうことがあるので、目打ちを使うほうが良いでしょう。
縫い物をよくされる方にとって、リッパーと同様に 目打ちはあると便利なものではなく、必需品だと思います。
目打ちは、ミシンで生地を後ろに送り出すときにも便利です。
生地が動きづらいときに生地を押さえて送り出すようにします。
縫い合わせたい生地が小さい時には動き回るのを先端でピッと押さえて固定することもできます。
ちなみに、リッパーでも生地を押さえたり送ったりができなくはないですが、
リッパーは細すぎて押さえるとしなる(湾曲する)ので、目打ちのほうが安定感があります。
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③リッパーと目打ち
リッパーと目打ちの両方を使う例をご紹介します。
縫ったところの一部分の糸を外す場合を考えてみましょう。
縫い糸をほどきたい位置に印をつけました。
印のところの糸をカットします。
目打ちを縫い目に差し込んで糸を引き上げていきます。
この時、リッパーでも同様のことができますが、目打ちはリッパーより長い距離を引き上げることができます。これは、目打ちが円錐状になっていて縫い目の間をスムーズに入っていくからです。
糸が途中で切れてしまうこともありますが、リッパーより目打ちのほうが糸をほどきやすいです。ただ、リッパーで糸を切って目打ちでほどく、というのは道具を持ち替えないといけないのでちょっとひと手間かかります。
何事も、手軽に一石二鳥というわけにはいかないのが道具の面白いところですね。
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④まとめ
最後に、リッパーと目打ちのグリップ(持ち手)部分について。
プラスティック全盛期になるまでは、持ち手の多くは木製が主流でした。しかし、最近はプラスティック製のほうが多くなりましたね。このプラスティック部分は少しずつ改良が加えられ、現在では、滑り止めや握りやすいグリップがついている製品もあります。
水色のリッパーは エルゴノミックリッパー と言います。人間工学に基づいた疲れにくい設計になっていて、白いグリップ部分がへこんでいます。しかも右利きの人にも左利きの人にも使いやすいそうです。
しかし私は、そんなに長時間リッパーを手に持たないし、右利きなので、その効果の素晴らしさを今ひとつ享受できておりません(笑)。
TUKUMOブログの森川製針さんでは、リッパーの3点セットを取り扱っておられます。大小の2種類に加えてミニサイズも付いているので、この3点セットがあればお裁縫箱の中身は十分ですね。よかったらショップをのぞいてみてください。
全長6.8cmのミニサイズのリッパーは、携帯用の裁縫道具にぴったりで、この小ささもまた魅力的です。
それではまた次の更新をどうぞお楽しみに。
2024年9月16日 ユキンコ
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